地球へ行く宇宙船の中で、交流会のしおりが配られた。
注意事項のページを読む。
・卵は、一人一個まで。お土産にする場合は、担任の先生に預けること。
・交流会で出会う以外の地球人に接触しない。
・喧嘩はしない。
・ハードロックカフェに一人でいかないこと。
軽く目を通ししおりを閉じる。
「ハードロックカフェなんていかないよー。このしおり何年も使いまわしてるよねー」
皆できゃいきゃいしているうちに、そろそろ地球に着きそうになる。
地球は、酸素があるのですごく湿度を感じるなー。
せっかく髪の毛ブローしてきたのに。
東京ドームに着くと中村が
「にくまんみてえ」
とつぶやいた。
中村ってマジ馬鹿でイラつくわー。
にくまんの中に入ると、ものすごい数の地球人がいた。
鞠子は、震える手で名札を書き胸に留めた。
「日大付属アンドロメダ高等学校・1年たわし組・鞠子太郎」
「ねえ君。アンドロメダの人?」
名札をつけたとたん、集団の男子に声をかけられた。
「やべー!俺宇宙人始めて観たー!」
「たわし組??やべー!意味超わかんねー!」
「鞠子が苗字とか、マジかっけーんですけど!」
「そんで、名前太郎とか渋すぎなんすけどー!」
「すんげえ。かわいいじゃん!」
と、鞠子の周りはあっという間に男子で埋め尽くされてしまった。
あっけにとられ、鳩子を探すと鳩子も同様に地球人の男子生徒に囲まれ
トランプマジックを披露されていた。
「おいおい。お前ら。鞠子さんびっくりしてるだろ。」
と人ごみからすっと一人の男子生徒が声をかけた。
皆、自然と道をあける。
すると、鞠子の前までやってきて
「始めまして。僕は、日大ローンチ高等学校、二年鯑組、クリスマス正輝です。よろしく」
この人素敵。リップスライムのイルマリとPESを足して2で割ったみたいな顔してる!
しかも、ローンチって、一番頭いい学校じゃん…。
「皆。自己紹介しようぜ」
とクリスマス正輝が男子生徒に声をかけた。
※鯑=かずのこ(受験には出ないでしょう)