2012年12月13日木曜日

BETTER!! 5


クリスマス正輝の存在感に圧倒され、その他の男子が目に入らない。

「蛸日大、1年お餅組、梶木まぐろです!」
「俺は、日大卓球高等学校、1年8bit組、お手洗誓です!こいつとはジェフミル中の時一緒で~」

どうしよう…
こんな完璧な男の子がいるなんて…

「おーい。クリスマス!こっち手伝ってくれないか?」

先生が声を張り上げるとわかりましたと鞠子のそばを離れるクリスマス正輝。

どうしよう。こんなに人がいるのに、また会えるかな…。

何もできないまま、ぼーっとして鳩子の方へ。

「鞠子だいじょうぶ?」
鳩子に声をかけられ、我にかえる。
「うん。すごくかっこいい人いた…」
「嘘!私なんて、なんか超オタクみたいなのしかこなかったよ~」

カシャッ
とどこからか音がする。
メガネをかけた男子たちがカメラをこちらに向けている。
「鳩子様〜。マジ女神〜」
男子生徒たちはどうやら、鳩子を完全ロックオンしているようだ。

「嫌…。迷惑…。」
「ラムちゃん、初音ミクの次は、鳩子様だ〜」

「うるせー!髪の毛が緑なだけだろ!写真とんなー」
と鳩子が叫んでもやめない。

カシャ!

「君かわいいね。彼氏いんの?」
と突然、後ろから声をかけられる。

振り向くと大きめのキャップを被った男子生徒がいた。

「YO!ろしく。俺、日大自豊山高等学校、2年Kダブ組、敵衣良 佐ノ助っす」
「ちーす!俺も同じくレペゼン日大自豊山2年D.O組、築木 小次郎っすぅ」

「いやあ…制服がダボダボしてる。不良??怖いよー」
と震える鳩子。私は、地球のファッション雑誌を読んでいるので知っている。
B-BOYというジャンルの男子たち。

「しかも、あのキャップにシールついたままだよ?教えてあげよっか?」
地球には色んな男の子がいるんだとワクワクしてしまっては鳩子に失礼だろうか。

「俺とデートしようぜマジ。俺とお前は双生児、みたく気があうぜハニー」
と鳩子の肩に手を回すB−BOY達。

「ええええ!!」
とびっくりする鳩子
すると、

「やめろおおおおおおおお!鳩子様からはなれろおおおおおおお!」
と先ほど鳩子を激写していたオタク男子の一人が飛び出してきた。

「なんだよ。おめーに関係ねえだろ。オタクはすっこんでろよ。気持悪りィ」
と軽くあしらう敵衣良と、築木。

「で、でた~~wwwwww雰囲気だけでオタク扱いしちゃう奴wwwwwwwww」
オタク男子は、いっさいこちらに目を向けずずっと携帯をいじっている。

「なんだてめえ。バリバリのオタクじゃねーか。携帯みてねえでこっちみろよ。自分の名前も言えねえやつがしゃしゃりでてくんな。」

鳩子は、もう真っ青になっている

「つーか。偉そうだけどお前もクズの件について。第いいいいいっかいぃぃぃぃぃ鳩子様はオタクの俺とDQNのおまいらどっち選ぶのか会議ィィィィィ!」

鳩子はもう倒れそう。

B−BOYは相当イラついている様子。
「築木。ビートくれる?」
ぼんぼぼぼんとリズムを口で奏でる築木。
「いくぜ。」
と鳩子を見つめながらマイク(ないけど)パフォーマンスを始める。
「もうやめよう♪こんなスティーロ♪お前見てるとマジせつない♪俺ならさせない家事手伝い♪こんな俺どうだい?」

と、ついっと鳩子に近寄る敵衣良。

「え?あ…あの…何…。ラップ?ですか…?すみません…よくわかりま…」
鳩子がおどおどしていると、敵衣良のマイク(ないけど)をオタク男子が奪いドコモギャラクシーノートをかかげ、DJアプリを立ち上げた。
素敵なジャズのループが携帯から流れ出すと
「韻踏んだだけでドヤ顔してんじゃねーよ!5文字なんて誰でも踏めんの!それ知らないなんてマジ不勉強!食べとけとんかつ弁当!お前にやらない一等賞!つーかVipperの俺さまなめんじゃねーよ!!」
オタク男子が元気よくパフォーマンスをした。
そして、鳩子にウインク。

鳩子は白目を向いていてもう私の支え無しでは立てない様子。

さあどうなる!

次回を
要ちぇきら