棒かと思えば、碇になり、はたまたドーナツにもなっちゃう物な~んだ?」
「うう~ん。なんだろお。ううううんんんん」
と辰子は、立派なひげをかわいらしく、くねくねさせる。
「へ、び、く、ん?」
「正解!」
と僕がウインク。
「じゃあじゃあ。今度は私がなぞなぞ出していい?えーとえーと。目がきらきらしてて可愛くてぇ~かっこよくてぇ優しくてぇ。辰子がだーいすきな人は誰でしょう??」
「むむむ。なんだろう?…栗かな」
「もー!わかるでしょ!」
「わかんないよ。正解教えて」
「やだ。恥ずかしいよ」
はっきりと、充実していた。
もう、紐なんて言わせない。
僕は今年1年王様だあ!
お腹がすいたのでマックに行こうと辰子と二人でにょろにょろと出かけた。
「なんか混んでるー」
と不満そうな辰子。
マクドナルドもぐら店は、今まで見たことがないほど混んでいた。
「60秒サービスどうなってんの。僕みてくる」
周りのみんなは、僕を見て色めきだっている。
気分がいい。
にょろっとカウンターへ行くと
「あれ!?」
蛙が、レジ内であたふたしていた。
お客さんはもう暴動を起こしそう。
「す、すみません。もう少々お待ちください」
と泣きそうになりながら叫ぶ蛙。
そうか、お正月だからいつも対応しているスマートな店員もぐらたちは帰省(土の中)してんのか。
「ふええ。僕だって冬眠してたから体がキビキビ動かないよお…。お待ちください。時給あめんぼ3匹っていうのに釣られて…くぅ!すみませんこちらでお待ちくださいっ」
と愚痴をいいながらのろのろとハッピーセットを袋に入れる蛙。
かわいそうだな。こんな時期に働くなんてよっぽどの事情があるのに違いない。
僕の兄貴がよく中学生の頃、蛙を睨んで油かかしてた。
虫さされに聞くとはいえ可哀想だった。
よし。
「皆さん。あけましておめでとうございます。へびです」
と僕は叫んだ。
皆が沸いた。
「いつもの店員、もぐちゃんたちがいないのでちょーっとお時間かかってるみたいで~す!」
皆、わははと笑い出す。
蛙の方を向いてウインクしてやると蛙は目に涙をためて感激していた。
涙も虫さされに効きそうだ。