2013年1月11日金曜日

にょろ~っと蛇伝説⑤

鮭にやられて気絶とか超だせえ。
恥ずかしすぎて泣きたい。
つーか、暴力反対っっっ!

僕がうっすら意識を取り戻すと、辰子と蛙が心配そうに顔を覗き込んでいた。



マクドナルドもぐら店の床に倒れている僕。
周りにはさすがにもうお客さんはいなかった。

「ううう」
と呻きながら起きた。体がすごく重い。

「だいじょうぶ?」
辰子が僕の背中に手を回す。

「すみませんっ!私のせいで大変ご迷惑おかけいたしました!」
ボロ泣きしている蛙。
「あの…。お詫びと言ってはもうしわけないですがこれ受け取ってください。」
と大きめのコンビニ袋パンパンに入ったシャウエッセンを差し出された。
「え。」
シャウエッセン?
「実は、母方の祖父がドイツ人でして。」

「え。でもシャウエッセンてドイツ関係ないのでは…」

「ですね。でも日本の方にはこちらが良いかと思いまして。」

ああ。体が重い。
蛙は、申し訳なさそうで油汗をかきまくっている。
辰子が蛙の油汗があまりに美味しそうだったからか無意識にぺロっと舐めた。

「あ!」

辰子が蛙の頬を舐めたとたん、ボカンと、大きな音がして蛙が煙に包まれた。

煙が引くと、蛙がイケメン王子様に変わっていた。

「お嬢さん。ありがとうございます。私は王子なのですが悪い魔女に騙されて蛙の姿に変えられていたのです。これでドイツに帰れます。誰かに連絡とろうにも蛙の指だとスマホ反応しなくて…」

そして、シャウエッセン食べてくださいねぇと声高らかにドイツへ帰っていった。
ずるずる。

「帰るか…。」

帰り道、辰子が
「あのマック、大丈夫かな。」
と言った。
「大丈夫。僕さ、ビビりすぎて脱皮しちゃったから」
「あー!本当だ!お肌つるつる!」
「僕の脱皮は縁起物だからな。つーか蛙にキスしてんなよ!」

「ごめんごめん。お腹すいちゃって!」


つーか。悪い魔女って何wwwwwwww



おしまい