某テレビ局の控え室にて。
「もう、東京あきたなー」
とつぶやいたらマネージャーの朱鷺にキレられた。
「何言ってんの?飽きたって?」
「飽きたから飽きたって言ってんの!もう疲れた!北のカナリアのロケ地に行きたいよ!」
と駄々をこねる雲。
「あんたは、自由な身じゃないんだから。ワガママ言うんじゃないのっ!」
何かの書類ではち切れそうな分厚いファイルにまだ何かを挟もうとしながら朱鷺は雲を叱った。
「やだよー!堺雅人に会いたいよー!」
と泣きじゃくる雲。
「泣くんじゃない!あんたが泣いたら明日遠足の子供がかわいそうだろうが!それに北のカナリアに堺雅人は出とらんわ!」
泣き止む雲。遠足をだしに使うのは卑怯だとキっと朱鷺を睨む。
テーブルの上にある雑誌に手を伸ばす。
「風特集~気ままに~そして自由に~」
「今月号は、そのスレンダーな体系にモデル界も注目?!の風さん大特集!」
「体系を維持するのに、特別何もしていません。いつも気ままに世界を駆け回っています。昨日はヴェニスで凧揚げ大会に参加してきました」
ずるいわ。風。
私は、体系を維持するのにあらゆることをしてるのに…。
ストレスで分厚くなっちゃって…金環月食の時、どんだけ2chでディスられたか…
雑誌をドアに投げつける雲。
「こら!物を投げるんじゃないっ!何ならその雑誌!堺雅人が連載持っとるわい!」
と怒って、その見事な羽根をバサバサする朱鷺マネージャー。
その時
「失礼いたします」
と控え室の扉が開いた。
え!まさか!と二人は目を合わせる
「堺雅人さん!!!?」